独身時代から第一子の育休復帰後数ヶ月経つまで、会社のなかで
「家庭を選択した女性」は
「会社のお荷物」
のように考えていました。
自分より若干年上の先輩たちが復帰後、仕事のペースダウンをしていることをどこかで見下している自分、今のご時世、バリキャリでないと正しくない、ような固定概念がありました。(何もわかってない若造でした…ほんまに)
だから、なぜ「彼女たち」が時短をとるのか、一年以上も休むのか、1人目の育休中に2人目を出産するのか、本当に理解ができなかったんです、当時。
同性といえど、そんなもんでした。
だからこそ自分は「彼女たち」のようにはならないと肩肘はって、復職後は旦那が転勤中の単身育児にもかかわらず、初っ端からフルタイムで復帰をし、
「独身時代と同じボリュームの仕事を任されるようになること」
「また海外出張に行くこと」
を目標に髪を振り乱して働いてました。
私の上司世代は専業主婦の方が多くも、昨今の社内でのダイバーシティの推進や、時代の流れもあるのか、非常に常識的な方のあつまり。ある意味紳士的というか…
且つ社内婚でもあったので、単身育児であることはみな周知の事実。
結果、バリバリ働きたい私の気持ちとは逆に、過剰なまでの上司たちの配慮に、イライラしつつつも、少しずつ以前のような状況に戻ってき、海外出張の話も入ってきました。
復帰後一発目の海外出張はタイミングが旦那と同じ。旦那はドイツ、私はインド。
幸い、旦那は私の仕事に対する意識を尊重しています。
私が復帰後、海外出張を熱望しているのも理解していたので、その時は2人で相談し、家から一時間離れた所に住む義両親に息子を預けて2人とも旅立ちました。
その時息子は1歳2ヶ月。
帰国時は息子に若干の戸惑いがあったものの、特に気になるほどではありませんでした。
その2ヶ月後、また別の海外出張が入りました。
この頃息子は1歳4ヶ月。息子も少しずつ少年ぽさがでてきたころです。
帰国日は主人と息子が関空まで迎えにきてくれていました。
1週間ぶりの我が子との再会。
息子は流石に母親が1週間不在であったことを理解しているようで、少し態度がおかしい。
なんというか、拗ねてるというか、
「お前、俺を置いてどこいってたんや…」
とでもいうような態度。明らかに二ヶ月前の帰国時とは違う。
旦那曰く、
「3日目ぐらいから、もうきみは帰ってこないものとでも意識してるかのような感じだった」
とのこと。
正直、1歳児の記憶力、感情をなめてたというか。
保育園も問題なく通えてる、お友達も沢山できてるし、出張中は主人もいるし、前回もさして問題なかったし…1歳児の息子にそんな感情が備わっていることにも驚いたし、正直息子がそんな態度に出るとは思ってませんでした。
帰宅時の車の中でもずーっとだんまりの息子。
まぁ、仕方ないな…と思いながら、家に到着。
そこからです。
息子は今度こそ母親を逃せまいぞと、今まで以上にベタベタ甘えモードへ。
これがその日だけと思いつつ、そのあと1週間以上続きました。
且つ、やはりどうもその間の息子の精神状態が安定してないというか…ズボラ育児のわたしでも感じる不安定さでした。
すごい小さなきっかけなのかもしれませんが、この出来事で私は初めて、
「仕事の代わりはいくらでもいても、この子の母親は私しかいないんだ」
と感じました。
自分の仕事が子供の精神状態に与える影響を目の当たりにした瞬間です。
自分が何を大事にしたいのか、改めて考え直したきっかけでもありました。
それからは、社内で働く「彼女たち」が大きく違って見えるようになりました。あんまり仕事に身が入ってないようにみえるおじさん社員までも。
会社って、各々の人生の一部分でしかなく、みんなそれぞれの事情の中で、大切なものを取捨選択しながら働いてるんだ、っていうのを、息子を産んで、復帰して、一年近くたってようやくわかるようになりました。
それがわかってからは、会社に対する依存心のようなものがスパーンと吹っ切れるようになりました。
会社人である前に、息子の母親でもあり、旦那の妻でもあり、私自身の人生をどう生きるかを真剣に考えないといけないなと。
今回の産休・育休中は、そのあたりもゆっくりと考えていきたいなと思ってる今日この頃です。